糖尿病の足の壊疽の原因とは?
糖尿病の足の壊疽の原因とは?
糖尿病の足の壊疽、原因解明
金沢大チーム
北国新聞 2014年7月3日(木)
金大医薬保健研究域医学系の金子周一
篁 俊成両教授らの研究チームは2 日までに
糖尿病患者の肝臓で過剰に分泌される特定のホルモンが
新しい血管を作る「 血管新生」を妨げることを突き止めた
足が壊疽(えそ)したり
皮膚の傷が治りにくく なったりする合併症の原因と考えられる
このホルモンの働きを低下させる薬剤の開発が 進めば
糖尿病が引き起こす合併症の新たな治療につながると期待される
成果は2日
欧州糖尿病学会誌「ダイアベトロジア」の電子版に掲載
血管を作る働きを阻害するのは
「セレノプロテインP(SeP)」と呼ばれるホルモン
動物実験などの結果
血管新生を促す「血管内皮細胞増殖因子」の働きを
低下させるこ とが分かった
研究チームの御簾(みす)博文特任助教によると
遺伝子操作でSePが過剰なマウス は
そうでないマウスより皮膚に付いた傷が治癒するまでの
スピードが約20%遅かった
別の実験では
SePを先天的に半減させたマウスと
通常のマウスを使った
それぞ れの太ももを縛って血管を詰まらせ
血流が回復するまでの時間を測ったところ
SeP が少ないマウスの方が血流が早く元に戻った
これらの結果から 研究チームは
人体でもSePを減少させることができれば
血管 を作る働きを促進できると判断
現在、SePの働きを低下させる抗体を使い
臨床研究 を進めている
御簾特任助教は
「糖尿病で足を切断する人は年間数千人に上る
新しい薬が実用化され れば、予防できるかもしれない」と話した